ノハコでは、2021年初夏より、「静けさ」をテーマとした展覧会を開催していきます。第一回目となる展覧会は、周豪展「相としての層」です。本展は、2019年から2020年にかけて制作された油彩画により、周の絵画について注目をするものです。地と図の簡素な関係性からつくられる周作品の静謐な佇まいを、ぜひご高覧下さい。
nohakoの今秋2回目となる展覧会は、水上嘉久展「影」を開催します。水上さんは、一貫して、石という物質から生まれる形象の現れを追求している彫刻家です。近年では、山景をイメージさせる《陰に山》の連作を発表されていますが、今回の展覧会では、これまでの作品に見られた抽象性をより一層展開させた新作《影》を発表いたします。
今秋のnohakoは、井川淳子展「いつか」を開催いたします。井川さんは、写真を媒体とし、物質の持つ静謐さとそこに含まれる物語性を表現する美術家です。今回の展示では、ボッティチェッリの《神曲》をモチーフとした作品《いつか私は(天国篇)》とともに、《その重荷を背負え》が発表されます。
夏を過ぎ、nohakoでは今年2回目の展覧会となる「さとう陽子 -世界と、そのままに紡ぐ-」を開催します。さとうさんは、絵画を中心に、写真や詩等の表現により、世界との向き合い方を問い続けている美術家です。
今春のnohakoは、祐成政徳展「素形への触れ」を開催します。祐成さんは、木や金属、ナイロン製の布など、多様な素材による立体作品を制作する美術家であり、これまでも作品と場が呼応する空間を数多く提示してきました。
nohakoでは、昨年より「絵画への経験」をテーマに、3つの展覧会を企画してきました。伊藤史展「おもてをたてる」、髙橋圀夫展「奥へ」に続き、最終回となる今回の展覧会は、瀬古徹展「景色」です。通常、絵画を観る経験とは、観者が作品の正面と対峙をする関係のうえで成立するものですが、本展ではそうした観者の視野を拡大し、作品の置かれた場を眺めることから「絵画への経験」を捉えてみたいと思います。