—花は野にあるように−

2016年5月13日(金)- 6月5日(日)

佐竹宏樹さんは、ステンシルの技法を用い、「花柄」による人物や群像の平面作品を制作する美術家です。佐竹さんの作品は、モデルの輪郭を浮かび上がらせる鮮やかな肖像画でありつつも、図像を埋め尽くすアイコンとしての「花柄」を通じて、制作者自身の意識を表出する場をつくり出しています。かつて佐竹さんは、2008年発表の《Greeting flower》について、自身の制作方法を〈「私の知りうる人々」を「版的手法」で「三原色」による「花柄」で描いたもの〉と定義付けました。そして《Greeting flower》における佐竹さんの試みは、通常の印刷工程における三原色に分解されたドット柄を「花柄」に置き換えることにより、身近な存在である「私の知りうる人々」に対する親和性を私たちの住む世界にまで拡げ、更にその世界自体に向けて花を贈ることを自覚していくものでした。このことは、美術家、作品制作者としての自己と社会としての他者とを繋げていく作業であったとも言えるでしょう。今回の展覧会「花は野にあるように」では、そうした《Greeting flower》での制作方法を踏襲し、nohakoがあるローカルエリアにおいて展開したプロジェクトによる作品を発表します。プロジェクトでは東京都中野区内の5つの保育園に協力を頂き、3歳児の皆さんを対象とした作品が制作されました。そして作品は完成後、それぞれの保育園に寄託、展示され、作品の自立性や美術と社会との接点を見出す機会を提示していきます。展覧会のタイトル「花は野にあるように」は、茶匠・千利休が残した「利休七則」より引用した言葉であり、茶室に活けられる花の在り方を示しています。「花柄」をあしらった人々が描かれる佐竹さんの作品の「野」への拡がりを、展覧会により感じて頂ければと思います。

佐竹宏樹 Hiroki SATAKE

1973
福岡県生まれ
1996
東京造形大学造形学部美術学科美術Ⅰ類専攻卒業
1998
長崎大学大学院教育学研究科教科教育専攻美術教育専修修了

主な個展

2008
「Greeting flower」/switch point(東京)
2009
「Hiroki Satake Paintings」/Gallery M.A.P(福岡)
2010
「花は野にあるように」/O-NE manokurozasu(埼玉)
2012
「Hiroki Satake」/PROPOSTA Arfrex、Gallery M.A.P(福岡)

主なグループ展

2008
「Le Papier Japon:Aspects 2008 和紙の様相」
/Espace Cdlturel Bertin Poire’e(France)
2009-10
「Surimono International −Woodblock & Poetry−」
/Impact 6.Bistol(UK)、Fyns Grafiske vaerksted(Denmark)
2010
「日加交流版画展 −アルバータの版画と長沢アートパークAIRの木版画−」
/カナダ大使館高円宮記念ギャラリー(東京)
「東京造形大学絵画棟クロージング展  camaboco」
/東京造形大学10号館(東京)
「八尾スローアートショー2010‐地域とアートと学校と‐」
/樫尾小学校、黒瀬谷交流センター喜楽里館(富山)
2011
「第7回造形現代芸術家展 −見出される世界を求めて−」
/東京造形大学附属横山記念マンズー美術館(東京)
「IN JAPAN」/The Royal Scottish Academy(UK)
「The 16th Biennial of Cerveira」(Portugal)
2012
「はじめましてアートラボ」/アートラボはしもと(神奈川)
「いま、日本のアートをつむぐ‐てわざ・こまやか‐」
/Por Amor a Arte Galeria(Portugal)
2013
「町田ゆかりの作家」/町田市立国際版画美術館(東京)
2014
「7th International Printmaking Biennial of Douro」(Portugal)
「第2回国際木版画会議 −The Content−」
/東京芸術大学、CfSHE ANNEX Gallery(東京)
2016
「EXPLORING FRAGILITY & TRANSIENCE −FEATURING TEN JAPANESE MOKUHANGA PRINTERS−」/WallaWalla Foundry Vineyards(USA)