−水面−

2022年11月11日(金)−12月4日(日)

2022年11月のノハコは、昨年から連続する「静けさ」をテーマに、向井三郎展「水面」を開催します。

向井さんは、屋外の風景を主なモチーフとして、木炭を用いた丹念な線描による絵画作品を制作するアーティストです。ノハコでの向井さんの作品発表は2015年の「線の林」に続き二回目となりますが、一貫して眼前の対象を静かに見つめ、その表層を細密に捉えながら、私たちに「見ること」の意味を問いかけます。今回の展覧会では、海の水面をモチーフとした新作とともに、ノハコの壁面を支持体とした巨大なウォールドローイングを制作し、よりサイトスペシフィックな展開がなされます。

向井さんの日常の制作活動は、海岸という実際の現場に出向き行われているものですが、今回の展覧会の空間において制作するウォールドローイングは、日常の制作の現場から記憶していく風景とそのイメージを、自己が捉えた世界として再構築し、もう一つの現場であるギャラリーに移していくものだといえます。

絶え間なく揺れる水面の波の表情とともに、向井さんが描き出す線の風景を、どうぞご高覧下さい。皆様のお越しを心よりお待ちしています。

向井三郎 Sabro MUKAI

1964
福岡県生まれ
1987
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
1989
東京藝術大学大学院美術研究科修了
1992-94
オランダ政府奨学金受給によりハーグ市に滞在
ハーグ王立造形芸術アカデミィ(モニュメンタル・デザイン)在籍

主な個展

1988
ギャラリィK/東京(以降1991)
1989
不二画廊/大阪(以降2003)
1990
なびす画廊/東京
1993
コニンクライク・ギャラリー 王立造形芸術アカデミィ付属/オランダ
1996
Oギャラリー/東京
1999
巷房/東京(以降2001,2003)
2001
ギャラリー覚/東京
2002
「Inner Constellation(内なる星座)1992〜2002」ちばぎんアートギャラリー/東京
2005
「silent」巷房/東京
2008
「speak not」巷房/東京
2010
「hearing」巷房/東京
2012
「土と人」巷房/東京
2013
「肖像」土、木、人 ギャラリー・チフリグリ/宮城
2014
「生きられた時間」巷房・2+階段下/東京
2015
「線の林」nohako/東京
2017
「ちいさなくに」巷房・1+2+階段下/東京
2018
「うしろ歩き–2005年からの素描」ART TRACE GALLERY/東京
2020
「みちゆき」巷房・1+2+階段下/東京
2021
シリーズ「単色画」vol.1 igallery DC/山梨
2021
「birds passing」ART TRACE GALLERY/東京

主なグループ展

1987
「東京藝術大学美術学部卒業制作展」東京都美術館/東京
1988
「東京藝術大学大学院研究室による展示」みゆき画廊/東京
1989
「東京藝術大学大学院修了制作展」東京都美術館/東京
1989
「擬態と象徴」今日の美術を考える会 千葉県立美術館/千葉
1995
「35×30 per versand」ギャラリー・キンター/ドイツ
1995
「紙の仕事」ギャラリー福山/東京
1998
「秋展」向井三郎・森栄二 ギャラリーTAGA/東京
1999
「回廊の中心にて」秋本貴透・大西博・向井三郎
横浜ガレリア・ベリーニの丘ギャラリー/神奈川
2000
「Joyeux Noel」ギャラリー工房 親/東京
2004
「窓辺」O-NE manokurozasu/埼玉
2008
DRAWING TIME & STYLE MIDTOWN/東京
2009
「陣をたため!出発だ!愛と希望とカオスのもとへ!」なびす画廊/東京
2010
「ドローイングとは何か」ギャラリー志門/東京
2016
「ブレラ国立美術学院女子美術大学交流作品展」女子美術大学美術館/神奈川
旧聖カルポーフォロ教会/イタリア
2017
「モザイク・テーブル」ART TRACE GALLERY/東京
2019
「言問はむ」ギャラリー美の舎/東京
「Edge to Edge 大きな壁画」ART TRACE GALLERY/東京
「日中現代作家交流美術展・招待作家展/東方美術展」千葉県立美術館/千葉
2021
「Multigeneration Square/交錯する世代、対峙する絵画」藍画廊、GALERIE SOL/東京