−余白−

2021年9月24日(金)−10月17日(日)

この度、ノハコでは祐成政徳展「余白」を開催いたします。

彫刻を絵画でいう図としてみた場合、作品によって見出される周囲の空間は地となり、そこには余白としての場が現れます。彫刻によって生成される余白において、作品、あるいは作家自身がもち得てきた感性に触れ、そこで静かに佇むことの意味を、今回の展覧会を通じて考えてみたいと思います。

祐成さんの彫刻は、鮮やかな色彩とともに空間からスケールアウトしていく大らかさをもち、観者が作品空間に内包されていく間口を含んでいます。そうした独自の作品空間の気配は、単に彫刻を布置することからつくられるものではなく、手仕事のなかで確かめる素材の肌理や形態への感触を手放さない作家自身の態度により生み出されるものです。

今回の展覧会「余白」では、巨大な円形の彫刻等によってつくり出されるインスタレーションが出現します。皆様のご高覧を、心よりお待ちしています。

祐成政徳 Masanori SUKENARI

1960
福岡県生まれ</dd>
1983
武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業</dd>
1993-94
ドイツ・ミュンヘン造形芸術アカデミー在籍</dd>

主な個展

1984
神奈川県民ホールギャラリー/神奈川
1987
ときわ画廊/東京
1993
かわさきIBM市民文化ギャラリー/神奈川
1994
芸術フォーラムトローアドカステン、グラムザッハ/オーストリア
1997
アカデミー・ギャラリー+ホール/ミュンヘン造形芸術アカデミー/ドイツ
ギャラリー・ケストリング/ドイツ
2003
ウム・ウメニ、チェスケー・ブディヨヴィツェ/チェコ
2006
ギャラリー現/東京
2012
「美術のかたち —手でみる造形—祐成政徳展」兵庫県立美術館/兵庫
2019
「素形への触れ」nohako/東京

主なグループ展

1987
「国際鉄鋼彫刻シンポジウム —YAHATA ’87 」東田高炉記念広場/福岡
1995
「視ることのアレゴリー1995 絵画彫刻の現在」セゾン美術館/東京
1999
「5th北九州ビエンナーレ「繰り返しと連続性の美学」」北九州市立美術館/福岡
2000
「空間体験:「国立国際美術館」への6人のオマージュ」国立国際美術館/大阪
2001
「拡張する絵画 —色彩による試み CHIBA Art Now ’00」佐倉市立美術館/千葉
2004
「楽しむ空間・一歩前へ!」宮城県美術館/宮城
2005-06
「グローバル・プレイヤーズ —日本とドイツのアーティスト」BankART/神奈川、ルートヴィヒ・フォーラム/アーヘン/ドイツ
2006
「Hyper Design:6th Shanghai Biennale 2006」CITICスクエア/中国
2007
「椿会展2007 —Trans Figurative」資生堂ギャラリー/東京
「消失点:日本の現代美術」ニューデリー国立近代美術館/インド
2008
「ARTISTS FILE 2008」国立新美術館/東京
2009
「水都大阪2009」/大阪
2013
「こども+おとな+夏の美術館「アートといっしょ」展」群馬県立近代美術館/群馬
2020
「ところざわ アートの潮流」所沢市民文化センター・ミューズ/埼玉

作品の主な収蔵先

エルマンノ・カソリ財団/イタリア
北九州市立美術館/福岡
宮城県美術館/宮城
ニューデリー国立近代美術館/インド