−竹のパニエ−
2016年7月8日(金)- 7月31日(日)
大分県別府市在住の松田浩樹さんは、地域の産業である別府竹細工の伝統を継承しつつ、現代の生活空間に竹工芸のしなやかな美しさと魅力を提示している工芸作家です。別府竹細工は歴史が古く、室町時代より続いていると伝えられています。茶碗籠等の生活道具として作られていた竹細工の製品は、明治時代に入り技術力の高い工芸品として発展をしますが、その後、昭和30年代のプラスチック製品の参入によって、特別な美術工芸品へと変化をしていきます。
歴史的な変遷を背景に持ち、現在に至る別府竹細工は、日常の生活道具としての工芸品と美術作品としての工芸品という明確な「用」と「美」の二面性を持っている産業だと言えます。松田さんの竹工芸作品も、そうした別府竹細工が培ってきた「用」と「美」を合わせ持ち、シンプルな道具として仕上げられています。今回の展覧会「竹のパニエ」では、松田さんにワインを買いに行く際に用いる籠(=パニエ)を提案して頂きながら、人とパニエとの関わりや街につくり出される風景に注目をし、写真家・新家加奈さんによる12名のモデルとパニエのイメージスナップと合わせ、展示を構成いたします。展覧会を通じ、竹工芸と場との出会いをお楽しみ下さい。
松田浩樹 Hiroki MATSUDA
- 1969
- 大分県生まれ
- 1994
- 武蔵野美術大学短期大学部デザイン科卒業
- 2009
- 大分県竹工芸・訓練支援センター竹工芸科修了
- 2010
- 同センター中堅技術者養成指導修了
主な展覧会
- 2011
- 「竹のつくりてたち」/長屋茶房 天真庵(東京)
- 2012
- 「大分おおいた 小分こわけ展」/2k540(東京)
- 2013
- 「手から手へ 暮らしの中の道具たち」/スパイラルショウケース(東京)
(以降2014,2015) - 「NIPPONの47人 CRAFT」/d47 MUSEUM(東京)
- 「日本のかご展」/ギャラリーフェブ(東京)
- 2014
- 「大分の竹芸 〜現代から未来へ〜 」/別府市美術館(大分)
- 「OITA’S ART MOMENT」/L.A.日米文化会館(アメリカ)
- 「SOFA シカゴアートフェア」に出品(アメリカ)
- 2015
- 「大分の竹芸 〜新しい波〜 」/別府市美術館 (大分)
- 「伝統工芸ミラノスクエア」に出品(イタリア)
- 「白い竹 和の木綿」/ONABAKE 97(茨城)
- 2016
- 「ととのえる道具」/神楽坂暮らす(東京)
コラボレーションワーク等
- 2013
- 「Found MUJI MADE IN JAPAN」に商品提供
- ジュエリーブランド SIRI SIRIとの竹ジュエリー協同制作に参加
- 2015
- 「ミラノ国際博覧会日本館」にて実演
- 別府竹細工新製品フラワーベース開発事業に参加